ダグラス XB-43 

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モデルは VP CANADA製 1/72
バキュームフォームキット

XB-43はアメリカ初のジェット爆撃機であったという点でもっと注目されるはずではあるが、実際はダグラス社の歴史のなかでももっとも知られていない機体である。 原型はエンジンを胴体内に収容し、空力的には非常に洗練されたピストンエンジン機としては驚異的な高性能を誇ったXB-42である。 1943年10月、アメリカ軍当局がその機体にジェットエンジンを搭載する案を示したところに始まる。 時間を節約するために開発中であったXB-42の1機を流用し、ピストンエンジンを搭載する予定の場所にGE製のターボジェットエンジンを2基搭載、操縦席直後の胴体上部に空気取り入れ口を設け、プロペラ破損防止のための下に突き出した方向舵をやめるなどの改造を施した。 しかし戦争終結が目前に迫ってきたこととジェットエンジンのトラブル解決が長引き、初飛行が行われたのは終戦の翌年の5月であった。 テスト飛行はおおむね良好であったが、エンジンの馬力不足が感じられ、機首のプラスチックカバーに亀裂が入って木製のカバーに置き換えられた。 このときには4発のエンジン搭載で大型のノースアメリカンB-45の開発が進んでおり、XB-43の2機目が作られたが、エンジンのテスト用に使われたにとどまった。 この機体はワシントンの航空宇宙博物館に展示されている。

 
性能諸元(XB-43)

形式: 双発ジェット爆撃機   エンジン:GE J35-GE-3s 推力 1,678kg2基  最大速度:829km/時(海面高度)   巡航速度 676km/時   航続距離:1,770km  上昇限度:11,735m 自重:9,877kg  全備重量:16,783kg   全幅:21.49m  全長:16.36m 生産台数:2 

参考文献

Chris Bishop ed.“The Complete Encyclopedia of Weapons of World War 2”, Prospero Books, 1998
Rene Francillon “McDonnell Douglas Aircraft since 1920” Putnam Aeronautical Books 1979
F.G. Swanborough “United States Military Aircraft since 1909” Putnam 1963