第二次大戦前のアメリカの代表的戦闘機P-36の輸出版である。 1938年5月、フランスの購買使節団は100機のホーク75Aを発注した。 このホークとアメリカ陸軍に配備されていたものとの主な違いは武装が7.7mm機関銃4挺になっていたこととスロットルレバーの動きがフランス仕様になってアメリカのものとは逆になっていた点である。 最初の機体は1938年12月にフランスのルアーブルに到着、1939年3月にはホークでふたつの戦闘機隊が編成された。 フランス空軍機による始めての戦果はこのホークによるもので1939年9月8日、2機のBf-109を撃墜している。 1939年中に合計630機が発注されたがフランスが降伏するまでに配備するに至ったのは291機に過ぎなかった。 多くの機体がまだ梱包されたままの状態でドイツ軍の手に落ちた。 これらはドイツに送られ、ドイツ製の機器に入れ替えられた後36機がフィンランドに供与された。 ノルウェー政府は1939年秋、12機のホークを発注したがこれの到着と前後してノルウェーがドイツに占領されてしまった。 フランスの降伏とともに受注残のホークはイギリスが引き取ることになり、武装を7.7mm機関銃6挺としイギリスの機器に換えたものが227機イギリスに送られた。 これらは予備機とされていたが1941年暮れ、インドに送られ1943年に至るまでビルマ戦線に配備されていた。 インド政府は1941年春、ホークのライセンス生産契約を結び、最初のインド製ホークは1942年7月に飛行したが、その後方針が変更されこのプロジェクトは中止された。 インドに送られる予定であったホークはポルトガルに送られた。 オランダも24機のホークを発注していたが手に入る前にドイツに占領されてしまったのでこれらは東インドに送られ、後に日本機と対戦することとなった。
形式: 単座戦闘機 エンジン:プラットアンドホイットニー 空冷1,050馬力 武装:7.7mm機関銃2挺 最大速度: 483km/時(高度3,048m) 巡航速度 434km/時 上昇時間:1分0秒(1,034mまで) 上昇限度:10,058m 航続距離:1,327km 自重:2,072kg 全備重量:2,726kg 全幅:11.38m 全長:8.68m 生産台数:1,424
Elke C. Weal “Combat Aircraft of World War Two”, Arms and Armour Press, London 1977
William Green “War Plane of The Second World War Vol.4” Doubleday & Company, 1960