アメリカ陸軍機でもっとも多数生産された戦闘機はリパブリックP-47で1941年5月から1945年12月までに15,000機以上が作られた。 そのなかでもっとも多かったのがD型であるが、それを改造した発展型がいくつか検討された。 XP-47Hはそのひとつで当時開発されつつあったクライスラーXIV-2220-1という16気筒液冷式で2,500馬力のエンジンを搭載して性能向上をめざすものであった。 2機のP-47Dがこの新型強力エンジンを搭載するよう改造された。 ジェネラルエレクトリック製の排気タービン過給機が胴体後部に備えられ、プロペラはカーチス社製の直径4mに近い巨大な4翔電動式可変ピッチで大きなスピンナーがつけられた。 空冷エンジン装備がふつうであったP-47であるが液冷エンジン搭載となってずいぶん外観が変わったものとなった。 武装はつけられてはいない。 機体はトラブルなく改造できたがエンジンが問題続出で予定が遅れ、試作第一号が飛んだのは1945年7月でもう戦争は終わろうとする頃であった。 同年11月までに27回の飛行テストが行われ高度9,144mで時速789km/時を記録している。
形式: 単座迎撃戦闘機 エンジン:クライスラー XIV-2220-1 液冷16気筒2,500馬力 最大速度:789km/時(高度 9,144m) 全幅:12.43m 全長:11.95m 生産台数:2
William Green “War Plane of The Second World War Vol.4” Doubleday & Company, 1960
F.G. Swanborough “United States Military Aircraft since 1909” Putnam 1963
"Air Classics Vol.17 No.5 July 1971"