カーチス XP-62 

画像をクリックして拡大

モデルは ANIGRAND製 1/72
レジンキット

 1941年1月、カーチス社はアメリカ陸軍から当時開発中の2,300馬力のライトデユープレックスサイクロン二重シリンダー空冷エンジンを搭載した重武装、高性能の戦闘機を開発するよう要請を受けた。 このエンジンは戦闘機搭載としてはもっとも重いもので将来のB29に使われる予定であった。 契約の骨子は試作機を契約後15ヶ月で完成させること、与圧キャビンを備え高度27,000フィート(8,230m)で最大時速468マイル(749km)、武装は20mm機関砲8門または12.7mm機関銃12挺というものであった。 カーチス社の提案はその年の4月に行われ、XP-62、XP-62Aの型式名が与えられた。  3ヶ月後の8月、カーチス社から最大速度は448マイルに低下、698kgの重量増加が必要であるとの提案がなされ、認められた。 翌1942年1月、設計の見なおしが行われ、4門の機関砲を削除、構造改善などで全重量を6,977kgから6,356kgに低減することが勧告された。   1942年5月25日、100機の発注を受けるところまでこぎつけたが、7月27日にはキャンセルされてしまった。 当時カーチス社はP-47サンダーボルトの生産を委託されており、新戦闘機の開発はこれを阻害する可能性が強かったためである。 この時点ではXP-62の試作は75-80パーセント完成しており、翌年4月に初飛行する予定になっていた。 XP-62のもっとも大きな特長は迎撃戦闘機としては初めて与圧キャビンを備えていることであったが、与圧キャビンの製作が遅れたのとエンジンの改修があったりで初飛行は1943年9月21日であった。 XP-62に対する優先度は低かったので飛行テストは少しづつ行わていたが1944年秋にいたって完全に止められ以後の開発は中止されてしまった。 XP-62は本格的なテスト飛行をするにはいたらなかったので、以下の諸元はメーカーの計画値である。

 
性能諸元(XP-62)

形式: 高高度迎撃戦闘機   エンジン:ライト R-3350-17 空冷18気筒2,300馬力   最大速度:717km/時(高度 8,230m)  航続距離:2,400km   上昇時間:6分54秒(4,572mまで)   上昇限度:10,881m   自重:5,345kg   全備重量:7,560kg   全幅:16.35m   全長:12.04m   武装:20mm 機関砲4門または8門   生産台数:1

参考文献

William Green “War Plane of The Second World War Vol.4” Doubleday & Company, 1960
Chris Bishop ed.“The Complete Encyclopedia of Weapons of World War 2”, Prospero Books, 1998
Peter M. Bowers “Curtiss Aircraft 1907-1947” Putnam 1979