XP-47Bサンダーボルトの初飛行から2ヶ月もしないうちに、アレクサンダー.カートベリ率いる設計チームはその発展型の開発にのりだした。 それがXP-69とXP-72である。 XP-69は2,500馬力のライト R-2160-3 エンジン、XP-72が3,450馬力のプラットアンドホイットニー R-4360-13 ワスプ.メジャーエンジン使用であった。 ライト R-2160-3 エンジンは42気筒空冷でパイロットの後部に配置、延長シャフトを通じて二重回転プロペラを駆動する設計であった。 XP-69は37mm機関砲2門と12.7mm機関銃4挺の武装と与圧キャビンを備えた高高度戦闘機として試作契約が1943年3月に結ばれた。 これと並行して行われたXP-72の開発はP-47の直接の発展型として類似の翼を持ち、好成績を出す見こみが強かったので1943年5月、XP-69はキャンセル、XP-72の一本でいくことになり、6月に2機の試作機の発注を受けた。 P-47の機構をかなり多く踏襲したXP-72は28気筒のワスプ.メジャーエンジンを搭載した最初の戦闘機で、ターボスパーチャージャーを操縦席の後に装備、エンジンカウリング前部は細くしぼられ、強制冷却ファンを備えていた。 1944年2月2日に初飛行した試作第一号機は4翔プロペラ、1944年6月26日に完成した試作2号機は二重回転プロペラを備えていた。 両機とも6挺の12.7mm機関銃(弾丸1,600発)を持ち、主翼の下に450kg爆弾を2発搭載できた。 さらに衝撃波回復フラップを設けていた。 XP-72の飛行テストは非常な好成績を納め、100機を受注したが、戦局は変わってきており、迎撃戦闘機よりも長距離援護戦闘機の必要性が増しており、P-72の発注はキャンセルされた。 また将来的にはロッキードP-80ジェット戦闘機の開発が優先され、P-72の開発は全面的に止められた。
形式:単座迎撃戦闘機 エンジン:プラットアンドホイットニー R-4360-13 ワスプ.メジャー28気筒空冷3,450馬力 最大速度:784km/時(高度 7,620m) 巡航速度:480km/時 航続距離:2,448km 海面上昇率 1,609m/分 上昇時間:5分(6,096mまで) 上昇限度:12,800m 自重:5,210kg 全備重量:7,940kg 全幅:12.47m 全長:11.15m 武装:12.7mm 機関銃6挺、454kg爆弾2発 生産台数:1
William Green “War Plane of The Second World War Vol.4” Doubleday & Company, 1960
Chris Bishop ed.“The Complete Encyclopedia of Weapons of World War 2”, Prospero Books, 1998
F.G. Swanborough “United States Military Aircraft since 1909” Putnam 1963