AT-6テキサンはノースアメリカン社が生み出しアメリカ、イギリス、フランスなど多くの国で使われた高等練習機である。 各型合計で22,000機も作られた。
1937年ノースアメリカン社でNA-26として初歩の戦闘訓練用として開発が始まったのが最初である。 仕様は600馬力のプラットアンドホイットニーR-1340-49ワスプ空冷エンジンを搭載、引っ込み脚を備えるというものであった。 型式名がATに変えられる前にアメリカ陸軍に177機、海軍にはSNJの型式名で12機納入された。 続いてアルミニュームなどの戦略的重要材料をできるだけ木材などに置き換えた型が陸軍から1847機、海軍から470機の大量受注を受けた。
なお武装して実戦の攻撃機にも使えるようにした型もA-27の型式名を与えられて作られた。 これらは太平洋戦争前にフィリピンに配備されていたが日本軍の攻撃によりすべて地上で破壊されている。
第二次世界大戦が勃発する前後から1,800機以上のAT-6が各国に輸出された。 主な国と機数はつぎのとおりである。 ブラジル(81)、カナダ(978)、中国(15)、イギリス(635)、フランス(450)
さらにオーストラリアとカナダでライセンス生産が行われ2,500機以上が生産され、戦後40年後になっても世界各地で訓練用として使われた。 写真のモデルはフランス空軍所属のものである。
形式: 高等練習機 エンジン:ライコミング R-680-9s 空冷295馬力2基 最大速度:317km/時 巡航速度 282km/時 航続距離:1,207km 上昇時間:8分36秒(3,048mまで) 上昇限度:5,791m 自重:2,011kg 全備重量:2,749kg 全幅:12.29m 全長:9.65m 生産台数:791
“Jane’s Fighting Aircraft of World War 2”, Bracken Books, London 1989
F.G. Swanborough “United States Military Aircraft since 1909” Putnam 1963
Chris Bishop ed.“The Complete Encyclopedia of Weapons of World War 2”, Prospero Books, 1998
Bernard Fitzsimons ed. “The Illustrated Encyclopedia of 20th Century-Weapons and Warfare Vol.23”