ヴァルテイー BT-13 

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モデルは EXECUFORM製 1/72
バキュームフォームキット

1938年、アメリカ陸軍は新しい高等練習機の開発をうながす発表をした。 ヴァルテイ―社はこれに応えてプラットアンドホイットニー ワスプ エンジン(600馬力)を搭載した全金属製、セミモノコック構造で引っ込み脚を採用したモデルBC-52を設計した。 1939年に行われたコンテストではノースアメリカン社に敗れ正式採用とはならなかった。 そこでエンジンを小型のプラットアンドホイットニー ワスプジュニア―(450馬力)に変え、固定脚にしたモデル54を開発したところアメリカ陸軍から初等練習機として採用されBT-13の型式名を与えられた。 BT-13は結果的には初等練習機としてはもっとも広く使われ、ほとんどのアメリカパイロットは最初はこの機体で訓練を受けたのである。 最初の大量受注は1939年9月、300機で軍への引渡しは翌年6月から始まった。 その後も大量受注が続き、プラットアンドホイットニー社のエンジンの供給が間に合わないので、一部はBT-15の型式名でライト社のエンジンが取り付けられた。 アメリカ海軍からも2,000機近く受注し、これらはSNVの型式名で主に沿岸哨戒部隊で使われた。 BT-13は失速する手前で猛烈な振動をおこすことから“振動機”と呼ばれ、また飛行事故の多いことから“未亡人作り”という芳しくないあだなまでつけられたが、熟練したパイロットの手にかかるといろいろなアクロバット飛行も演じられる性能を持っていた。 1945年ころまでには訓練機はノースアメリカン AT-6などに置き換えられ、この種の練習機の需要はなくなった。

 
性能諸元(BT-13A)

形式: 初等練習機   エンジン:プラットアンドホイットニー R-985-AN-1 空冷450馬力   最大速度:288km/時   航続距離:1,160km 上昇時間:9分12秒(3,048mまで)   上昇限度:6,600m  自重:1,532kg   全備重量 2,041kg   全幅:12.8m   全長:8.78m   生産台数:10,370

参考文献

Enzo Angelucci & Paolo Matricardi “World War 2 Airplanes”, Rand McNally, Chicago 1978 Chris Bishop ed.“The Complete Encyclopedia of Weapons of World War 2”, Prospero Books, 1998 “Jane’s Fighting Aircraft of World War 2”, Bracken Books, London 1989 Gordon Swanborough “United States navy Aircraft since 1911” Naval Institute Press 1968 F.G. Swanborough “United States Military Aircraft since 1909” Putnam 1963 John Wegg “General Dynamics Aircraft” Putnam Aeronautical Books 1990 O.G.Thetford & H.J.Cooper “Aircraft of the Fighting Powers”