複葉のモデル17(UC-43トラベラー)で評価を確立したビーチ社は1935年、6~8人乗りの輸送機をモデル18として開発を始めた。 これはモデル17とはうってかわって低翼単葉で全金属製のモノコック構造の胴体で尾輪ともに引っ込み式、水上フロートあるいはスキーも装着できるようになっていた。 初飛行は1937年1月。 一見なんの変哲もない双発の軽輸送機であったが、以後32年間にわたって生産を続け、多方面に活躍する傑作機となった。 しかし最初は楽ではなかった。 最初の本格的な契約はようやく1940年にアメリカ陸軍からC-45の型式名を与えられ31機を受注したときである。 その後戦争が始まって武器貸与法に基づいてイギリスにもエクスペデイターの名で供与されたのを始めとしてアメリカ陸軍からの受注が急増した。 さらに航法訓練用に改造されたAT-7, 高等練習機のAT-11, 写真偵察機型のF2と広範囲にわたって使われたのである。 戦後もつぎつぎと改良型がつくられ、1981年になってもターボプロップエンジンを搭載した型が作られていたくらいである。
形式:輸送機 エンジン:プラットアンドホイットニー R-985-AN-1 空冷450馬力 x 2 最大速度:346km/時(海面 ) 巡航速度:km/時 上昇時間:8分36秒(高度3.048mまで) 上昇限度:6,096m 航続距離:1.126km 自重:2,672kg 全備重量:3,560kg 全幅:14.5m 全長:10.4m 生産台数: 約9,100
Elke C. Weal “Combat Aircraft of World War Two”, Arms and Armour Press, London 1977
Bernard Fitzsimons ed. “The Illustrated Encyclopedia of 20th Century-Weapons and Warfare”
Chris Bishop ed.“The Complete Encyclopedia of Weapons of World War 2”, Prospero Books, 1998
F.G. Swanborough “United States Military Aircraft since 1909” Putnam 1963
Enzo Angelucci & Paolo Matricardi “World War 2 Airplanes”, Rand McNally, Chicago 1978