1932年1月、ダグラスの一系列会社として設立されたノースロップ社が最初に手がけたのはガンマとデルタと名づけられた2種類の航空機を開発することであった。 ガンマは郵便物輸送などの特殊用途用であったのに対し、デルタは旅客機として計画されていた。 胴体上部に操縦者と副操縦士が座り、その後ろに8人乗りの座席が設けられていた。 その他の機体部分はほとんどガンマと共通であった。 初飛行は1933年5月、エンジンはライト SR-1820-F3(710馬力)であった。 ところが1934年10月、法令により、エンジンが故障したときの旅客の安全を考えて単発の旅客機は禁止されれてしまったのである。 ノースロップはしかたなく海外市場に活路を求め、スウェーデンの航空機会社に少数機が輸出された。 1937年、市民戦争下にあったスペインの共和国政府が5機のデルタを購入したが、船で輸送中にフランコ軍に拿捕され、その輸送部隊に編入された。 デルタはカナダのヴィッカース社でも作られ沿岸哨戒などに使われた。
形式: 輸送機 エンジン:ライト SR-1820-F52サイクロン 空冷 640馬力 最大速度:351km/時(高度1,920m) 巡航速度 322km/時 海面上昇率:424m/分 上昇限度:7,130m 航続距離:3,120km 自重:2,080kg 全備重量:3,337kg 全幅:14.6m 全長:10.08m 生産台数:80以上
Elke C. Weal “Combat Aircraft of World War Two”, Arms and Armour Press, London 1977
Chris Bishop ed.“The Complete Encyclopedia of Weapons of World War 2”, Prospero Books, 1998
Rene Francillon “McDonnell Douglas Aircraft since 1920” Putnam Aeronautical Books 1979