1940年アメリカ陸軍航空隊は対空射撃訓練用にラジコン操縦の標的機を開発することを計画した。 カルバー社はこれに応じて自社の練習機PQ-8を改造したものを提案した。 これがXPQ-14の型式名を与えられて採用となったものである。 XPQ-14はベースとなったPQ-8より大型となり速度も速くなった。 胴体、翼とも木製で主脚は引っ込み式となった。 初飛行は1942年である。 ラジコンというのにパイロット用の座席がついているのは変であるが、これは訓練基地まで輸送するのにパイロットが載るためのもので、最低限の計器類が搭載されている。 パラシュートが座席のクッションとなっていた。 飛行性能は素直で操縦はしやすかった。 胴体後方に大きく突き出ているアンテナがいかにもラジコンらしい。 対空射撃訓練の標的として本物の飛行機を使うというのはいかにも金持ち国アメリカである。
量産型のPQ-14Aは1,348機作られ、うち1,198機は海軍に引き渡された。
機体は通常真っ赤に塗装され、実際の射撃訓練時はPQ-14は並行して飛ぶ親機から操縦された。
ほとんどの機体は射撃訓練の的となって四散したが19機以上が生き残り民間のスポーツ機として愛用された。 いまも飛行可能な機体がいくつかの航空博物館に存在している。
形式: ラジコン操縦標的機 エンジン:フランクリン 6ACT-298-35空冷6気筒 150馬力 最大速度:300km/時 巡航速度:241km/時 上昇限度:5,184m 航続距離:823km 全備重量:830kg 全幅:9.14m 全長:5.94m 生産台数:1,967
Ed.: David Donald “Encyclopedia of World Aircraft” Prospero Books 1999
F.G. Swanborough “United States Military Aircraft since 1909” Putnam 1963
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