フェアチャイルド PT-19 

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モデルは MPM製 1/72

長い間初歩練習機としては複座の複葉機が使われるのが普通であった。 初心者にとって速度が遅く、飛行安定性がよいものが適していると考えられたからである。 しかし多くの熟練した飛行教官は最初からもっと翼面加重が高く高速で操作もやや難しい練習機で訓練したほうがつぎの段階にスムーズに移行できるという考えであった。  アメリカ陸軍航空隊でもこの考えが強くなりフェアチャイルドが開発したM-62に目を付けた。 M-62は当時練習機として一般的に使われていたステアマン PT-13にくらべ速度などはほぼ同じであったが翼面加重が43%も大きく低速度での操縦性がもっと難しくなっていて陸軍の要求にマッチしていたため、1940年 PT-19として採用になった。 使い始めてみるとPT-19 の操縦のむずかしさも初心者にとってもそれほど致命的なものではないことが分かり、1941年に始まった飛行機搭乗員拡充プログラムに乗って PT-19の生産がフェアチャイルド社だけでは間に合わなくなり、他の2社でも生産されるようになった。 当初使用していたレンジャーエンジンの不足からコンチネンタルエンジンその他の異なるエンジンを搭載した型もPT-23, PT-26という名前で作られている。

 
性能諸元(PT-26)

形式: 複座初等練習機   エンジン:レンジャー L-440-7 液冷6気筒 200馬力   最大速度:196km/時   巡航速度:163km/時 上昇限度:4,025m   航続距離:644km   自重:917kg 全備重量:1,241kg   全幅:10.97m   全長:8.45m  生産台数:6,000以上

参考文献

Ed.: David Donald “Encyclopedia of World Aircraft” Prospero Books 1999
F.G. Swanborough “United States Military Aircraft since 1909” Putnam 1963