ロッキード UC-36 エレクトラ  

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モデルは SPECIAL HOBBY製 1/72
機体マークはスペイン内戦フランコ軍

 ロッキード社が輸送機業界に本格的に乗り出した最初の機体がモデル10エレクトラである。 当初は10人乗りの単発機として計画されたが、すぐに双発機に変更された。 すぐ後にダグラスからDC-1,ボーイングからモデル247という双発旅客機が登場したことと、アメリカでは単発の旅客機が安全上の理由で禁止されたことからこの変更が正しかったことが立証された。 エレクトラは低翼単葉全金属製で尾輪も含めて引っ込み式、エンジンはプラットアンドホイットニー.ワスプジュニアであった。  初飛行は1934年2月ですぐに148機の受注があった。 エレクトラは1934年にノースウェスト航空会社に採用されたのを皮切りに1930年代の終わりまでには8つの航空会社で使われた。 しかし急速に拡大する航空旅客市場に対応するには乗客座席数が少なすぎ、アメリカが第二次大戦に参入するころにはほとんどが大型機に入れ替えられていた。  エレクトラはアメリカ国内で使われたほかアルゼンチン、オーストラリア、カナダ、チリ、日本など13ヶ国に輸出されたほか少数機がスペイン内乱でフランコ軍側で使われた。 第二次大戦の勃発後はイギリス空軍で使われたほかアメリカ陸軍でもUC-36の型名で使われた。 戦後もその値段の安さが受け民間で1960年代後半まで使われた。 

 
性能諸元(UC-36)

形式: 汎用輸送機   エンジン:プラットアンドホイットニー R-985-13 空冷450馬力   最大速度:309km/時(海面)  巡航速度 290km/時   航続距離:1,416km   海面上昇率 305m/分   上昇限度:5,920m   自重:2,926kg   全備重量:4,762kg   全幅:16.76m   全長:11.76m   生産台数:149

参考文献

Elke C. Weal “Combat Aircraft of World War Two”, Arms and Armour Press, London 1977
Chris Bishop ed.“The Complete Encyclopedia of Weapons of World War 2”, Prospero Books, 1998
Rene Francillon “Lockheed Aircraft since 1913” Putnam Aeronautical Books 1982
F.G. Swanborough “United States Military Aircraft since 1909” Putnam 1963