1934年に出された、旅客輸送に単発機を禁止する法令によりバルテイ―社は開発を進めていた旅客機V1を他に転用せざるを得なかった。 その結果がV11地上攻撃機である。 複座でエンジンにライト.サイクロン SR-1820-F53(750馬力)を採用し、2翔のハミルトン可変ピッチプロペラを駆動した。 初飛行は1935年7月。 この機体に注目していた中国国民政府は30機を発注、1936年暮れから翌年7月にかけてエンジンなしで送り出された。 エンジンは別に購入され中国の上海と藩口で最終組み立てが行われた。 1938年にはアメリカの義勇兵の操縦で日本機と戦っている。 ソ連が本機を4機購入、同時にライセンス生産権を得て30機以上が生産された。 ソ連製はエンジンにライト.サイクロンのライセンス生産版であるM-62を搭載した。 地上攻撃機として装甲を追加したため重量が増加、性能の低下をきたしたため、ソ連当局から第一線での採用を拒否され、郵便物輸送に使われた。 1937年から翌年にかけてトルコ政府が40機を購入したのに続いてブラジルが26機を輸入した。 V11の輸出市場での成功を見てアメリカ陸軍も7機を購入したが各種の試験用に使っただけで終わった。
形式: 地上攻撃機 エンジン:ライト SGR-1820-G2 空冷 1,000馬力 武装: 7.7mm機関銃4挺、7.7mm 旋回式機関銃1挺、爆弾 1,361kg 最大速度:344km/時(海面) 巡航速度 333km/時 海面上昇率:392m/分 上昇限度:7,010m 航続距離:1,971km 自重:2,801kg 全備重量:5,188kg 全幅:15.24m 全長:11.42m 生産台数:216
Elke C. Weal “Combat Aircraft of World War Two”, Arms and Armour Press, London 1977
Bernard Fitzsimons ed. “The Illustrated Encyclopedia of 20th Century-Weapons and Warfare Vol.23”
Chris Bishop ed.“The Complete Encyclopedia of Weapons of World War 2”, Prospero Books, 1998
John Wegg “General Dynamics Aircraft” Putnam Aeronautical Books 1990
F.G. Swanborough “United States Military Aircraft since 1909” Putnam 1963
Air Enthusiast, July, 1972