ダグラス SBD ドーントレス 

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モデルは TESTORS製 1/72

ダグラスSBDドーントレス急降下爆撃機を有名にしたのはなんといっても1942年のミッドウェー海戦である。 このとき赤城以下日本の4隻の空母を葬り、いっきに戦局を逆転したのである。 その後、攻撃部隊の主体は新型機に譲ったもののSBDは1944年7月まで生産が続けられ、合計5,936機が作られた。  SBDは1938年に開発されたノースロップ社の天才エンジニア、エド.ハイネマンの手になるBT-1が原型であるが、その頃ノースロップ社がダグラスに吸収され、その一部門となったためダグラスの呼称を与えられることになった。  当初BT-1の改良型としてXBT-2の型式で1938年4月に初飛行し、その後エンジン馬力の増強をはじめ多くの改良を施した量産型はSBD-1として1940年4月に完成した。 さらに武装を強化し、防弾板、セルフシーリングタンクを備えた本格的実戦型のSBD-3が1941年3月から配備が始まった。 SBDは爆撃機でありながら操縦がしやすくすべてのパイロットに喜ばれた。 ミッドウェー海戦ではその操縦性の良さを買われて、グラマン戦闘機とともに空母の防衛の任務につき、動きの鈍重な日本雷撃機の迎撃にあたり、多数を撃墜した。 このとき雷撃機を護衛してきた零戦の攻撃をもろに受け大損害も出しているが、そのためにグラマン戦闘機に向かう零戦の数が減り、グラマンの活躍を助ける結果となったのである。  戦争の後半は第一線任務はカーチスSB2Cヘルダイバーに譲り、対潜警戒任務などに活躍した。  アメリカ陸軍でもA-24として採用されたが、第一線任務で使われることはなかった。 またイギリス、フランス、ニュージーランドなどで主に訓練用として使われている。 

 
性能諸元(SBD-5)

形式: 艦上爆撃偵察機   エンジン:ライト R-1820-60 空冷 1,200馬力  最大速度:410km/時(高度 4,265m)   巡航速度 298km/時   航続距離:2,520km  海面上昇率 518m/分   上昇限度:7,780 m   自重:2,905kg   全備重量:4,245kg  全幅:12.65m   全長:9.68m   武装:12.7mm固定式機関銃2挺、7.7mm 旋回式機関銃2挺、爆弾 726kg   生産台数:5,937

参考文献

Elke C. Weal “Combat Aircraft of World War Two”, Arms and Armour Press, London 1977
Enzo Angelucci & Paolo Matricardi “World War 2 Airplanes”, Rand McNally, Chicago 1978
Bill Gunston “Fighting Aircraft of World War 2”, Prentice Hall Press 1988
Bernard Fitzsimons ed. “The Illustrated Encyclopedia of 20th Century-Weapons and Warfare Vol.7”
Chris Bishop ed.“The Complete Encyclopedia of Weapons of World War 2”, Prospero Books, 1998
Gordon Swanborough “United States navy Aircraft since 1911” Naval Institute Press 1968
Rene Francillon “McDonnell Douglas Aircraft since 1920” Putnam Aeronautical Books 1979
“Air Power” Jan. 1973