カーチス ホークIII 

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モデルは MPM製 1/72
マークは中国空軍機

カーチス社のホーク戦闘機シリーズの2番目として開発されたBF2C-1は1934年にアメリカ海軍の最初の航空母艦レンジャーに配備されたが、主脚のトラブルや主翼の振動問題が相次ぎわずか1年で27機全機がメーカーに差し戻しになってしまった。 カーチス社は問題の多かった金属製の主翼を実績のある木製に戻すなどの改造を図り、ホークⅢとして生まれ変わった。 機体は主に木製で、エンジンは空冷のライト.サイクロン(700hp)である。 大戦勃発前にすでに旧式化しており第一線からは退いていたが、訓練用としては1940年代終わりまで使われた。 ホークⅢはアメリカでの現役生活は短かったが、輸出市場に活路を見出し、アルゼンチン(10機)、タイ(12機)など多くの国に輸出された。 最大の顧客は中国で、1936年から1938年の間に102機が引き渡されて蒋介石軍のもとで中国戦闘機隊のバックボーンとなり、1937年に始まった支那事変では日本爆撃隊はいっぱんに知られている以上に苦戦を強いられたのである。 またタイに売られたホークⅢは最初は1940年にフランス軍と戦い、1941年には侵攻してきた日本軍と戦っている。 この残存の1機は現在タイの航空博物館に展示されている。

 
性能諸元(HawkIII)

形式:単座艦上戦闘機  エンジン:ライト R-1820-F53 空冷785 馬力  武装:7.7mm機関銃 2挺、 爆弾 215kg  最大速度:387km/時(高度3,503m)  巡航速度:328km/時   上昇率:609m/分  上昇限度:7,864m  航続距離:1,270km   自重:1,457kg  全備重量:2,107kg  全幅:9.58m  全長:7.14m   生産台数:388

参考文献

Peter M. Bowers “Curtiss Aircraft 1907-1947” Putnam 1979
Gordon Swanborough “United States navy Aircraft since 1911” Naval Institute Press 1968
Elke C. Weal “Combat Aircraft of World War Two”, Arms and Armour Press, London 1977
Bernard Fitzsimons ed. “The Illustrated Encyclopedia of 20th Century-Weapons and Warfare” Vol.21
Ed.: David Donald “Encyclopedia of World Aircraft” Prospero Books 1999
Ray Wagner “Prelude to Pearl Harbor- The Air War in China 1937-1941” San Diego Aerospace Museum
陳応明 “中国空軍飛機- 抗日戦争時期 1937ー1945” 中国之翼出版社