初めて単独大西洋横断飛行を成し遂げたリンドバーグが搭乗した飛行機を製作して有名になったライアン社は練習機などの軽飛行機を得意としていた。 同社は太平洋戦争が始まるや戦闘機の分野にも関心を示し、1943年に艦上戦闘機FR-1を開発したが、その改良版として計画されたものがXF2R-1である。 当時ジェットエンジンが製造され始めていたがこの時点では加速が悪く、狭い航空母艦から発進するのはむづかしいと考えられていた。 そのためFR-1では機首の通常のライト製空冷エンジンと尾部のターボジェットエンジンの二本立ての推進システムを持っていた。 このXF2R-1では機首のエンジンをゼネラルエレクトリック社T31ターボプロップエンジンに替えて強力な4翔プロペラを駆動するものであった。 いろいろな新機軸が盛り込まれたが代表的なものは、着艦時にプロペラのピッチを切り替えブレーキとして働く機能であった。 飛行テストは1946年11月に始まったが、先駆機のFR-1より強力なエンジンシステムを持っているにもかかわらず重量が515kgも重いため時速にして120km早いだけであった。 アメリカ海軍も本機にはあまり関心を示さず、テストパイロットのアル.コノヴァー操縦で高度記録11,936mを樹立しただけで本機の開発はキャンセルされてしまった。 ジェットエンジンの進歩が早くプロペラ併用のアイデアはもはや古くなっていたのである。
形式: 単座艦上戦闘機 エンジン:ゼネラルエレクトリック T31ターボプロップエンジンT-100 T31-GE2 1,700馬力、ジェットエンジンJ-31GE-3 推力716kg 最大速度:805km/時(海面) 航続距離:1,550km 海面上昇率 1,524m/分 上昇限度:11,918m 全備重量:4,990kg 全幅:12.80m 全長:10.97m 武装:12.7mm機関銃4挺 生産台数:1
William Green “War Plane of The Second World War Vol.4” Doubleday & Company, 1960
Gordon Swanborough “United States Navy Aircraft since 1911” Naval Institute Press 1968
Chris Bishop ed.“The Complete Encyclopedia of Weapons of World War 2”, Prospero Books, 1998
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