民間用の8人乗り飛行艇グースの成功に続き、もっと小型で安価なバージョンの市場に目を付けたグラマン社は5人乗り飛行艇の開発に乗り出した。 G-44の型式名で200馬力のレンジャーL-440C-5エンジン2基を搭載した試作第一号機は社長のロイ.グラマンの操縦で1940年6月に飛行した。 最初の量産版44機は翌年2月に完成した。 11機がポルトガルからの受注で残りはいずれも民間からであった。 アメリカ陸軍も本機に目を付けOA-14の型式名で4機を購入した。
次の量産25機はアメリカ沿岸警備隊からのものでJ4Fという型式を与えられた。 これらは1941年7月から就役しはじめ1942年7月にはルイジアナ州沖でドイツのUボートを撃沈している。 アメリカ沿岸警備隊による初めてのUボート撃沈である。
アメリカ海軍のためには131機が作られ、対潜水艦哨戒あるいは3人までの乗客輸送に使われた。 15機がイギリスに送られ 主に西インド諸島で訓練、連絡用として使われた。 ウィッジョンという名前はイギリスによって与えられたものである。 戦後になってフランスでもライセンス生産が行われている。
形式: 汎用水陸両用飛行艇 エンジン:レンジャーL-440-5 200馬力 x 2 最大速度:254km/時 巡航速度:221km/時 上昇率:213m/分 上昇限度:4,453m 航続距離:1,472km 自重:2,461kg 全備重量:2,043kg 全幅:12.20m 全長:9.45m 武装:爆雷91kg 生産台数:188
Elke C. Weal “Combat Aircraft of World War Two”, Arms and Armour Press, London 1977
Ed.: David Donald “Encyclopedia of World Aircraft” Prospero Books 1999
Gordon Swanborough “United States navy Aircraft since 1911” Naval Institute Press 1968
F.G. Swanborough “United States Military Aircraft since 1909” Putnam 1963