PBYカタリナの試作機が完成した1935年6月、アメリカ海軍は早くもより大型の長距離哨戒爆撃機を計画し、シコルスキー社とコンソリデーテッド社の2社にアプローチした。 コンソリデーテッド社の方が計画が進行していたので選ばれ、XPB2Yの試作機は1937年9月に初飛行した。 高翼型で太い胴体を持ち、大容量の貨物を収容できた。 エンジンはプラットアンドホイットニー ツインワスプ4基、防御火砲は連装の12.7mm機関銃を機首と尾部に持ち胴体にも3挺の機関銃を備えていた。 垂直尾翼は最初は一枚のタイプであったが飛行安定性向上のため2枚のタイプに変えられた。 PB2Yコロナドは用途により旧機種と平行し、ある場合は置き換えるはずであったが現実はそうはならなかった。 PBYカタリナがどんな場面でも使え満足すべき働きを示したのである。 大型のPB2Yは値段は3倍もしたし、複雑なため生産を阻害することが多かった。 コンソリデ―テッド社がPBYカタリナの生産で手一杯であったため軍からの発注は1939年3月の6機が最初で、PB2Y-2として翌年12月に納入された。 これらは防弾が考慮されておらず主に実験的用途に使われた。 1940年11月に発注されたPB2Y-3型から防弾板と漏洩防止燃料タンクが備えられ本格的な量産型となった。 合計216機のPB2Yが作られたが、その経歴は芳しいものではなく、漸次陸上型のPB4Yに置き換えられていった。 10機がイギリスに送られ、沿岸哨戒に使われる予定であったが主に輸送機として使われた。
形式: 長距離哨戒爆撃飛行艇 エンジン:プラットアンドホイットニー R-1830-88空冷1,200馬力4基 最大速度:320km/時(海面), 343km/時(高度 6,096m) 巡航速度 227km/時 航続距離:2,204km 海面上昇率 174m/分 上昇限度:6,370m 自重:18,612kg 全備重量:30,845kg 全幅:35.05m 全長:24.2m 武装:12.7mm 旋回式機関銃8挺、爆弾3,629kg 生産台数:227
Elke C. Weal “Combat Aircraft of World War Two”, Arms and Armour Press, London 1977
William Green “War Plane of The Second World War Vol.5” Doubleday & Company, 1960
Enzo Angelucci & Paolo Matricardi “World War 2 Airplanes”, Rand McNally, Chicago 1978
Bernard Fitzsimons ed. “The Illustrated Encyclopedia of 20th Century-Weapons and Warfare”
Chris Bishop ed.“The Complete Encyclopedia of Weapons of World War 2”, Prospero Books, 1998