シコルスキー社が初めて開発したR-4型ヘリコプターに基づき、アメリカ陸軍航空部はさらに大型で航続力の大きな実用型の開発を計画した。 見かけはR-4とよく似た形状であったが中身はまったくの新しい設計であった。 型式名はXR-5を与えられ1943年8月に初飛行した。 エンジンはより強力なプラットアンドホイットニーR-985-AN-5空冷450馬力を採用した。 第一号機の飛行は1943年8月である。 乗員は2名で前後に座った。 1944年3月にはアメリカ陸軍が26機をテスト用として発注した。 さらに100機の発注が続いた。 アメリカ海軍も型式をHO3S-1として92機を発注している。
なおアメリカ陸軍は1950年代に型式名称の変更を大幅に変更し本機はH-5と呼ばれるようになった。 海軍機はHO-3Sという型式名になった。
H-5はその性格上連絡、負傷者救助に使われた。 現実の活動で大きく直面した問題は本機のような単一ローター機では負傷者や重い資材を載せると飛行安定性が甚だしく損なわれるということであった。 そのため重い鉄の塊をいくつか乗せてバランスをとる配慮が必要になったのである。
本機の活躍がもっとも華々しかったのは朝鮮戦争において敵地上空で撃墜された飛行機搭乗員に救出であった。
形式: 輸送機 エンジン:プラットアンドホイットニーR-985-AN-5 空冷450馬力1 基 最大速度:169km/時 上昇時間:15分(3,048mまで) 上昇限度:4,390m 航続距離:579km 全備重量:2,270kg 回転翼直径:14.5m 全長:17.4m 生産台数:65
Elke C. Weal “Combat Aircraft of World War Two”, Arms and Armour Press, London 1977
Chris Bishop ed.“The Complete Encyclopedia of Weapons of World War 2”, Prospero Books, 1998
Gordon Swanborough “United States navy Aircraft since 1911” Naval Institute Press 1968
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