カーチス SO3C シーミュー 

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モデルは MAGNA MODELS製 1/72
レジンキット

1937年、アメリカ海軍は旧式化していたSOC複葉偵察機の後継機種の開発を通達、これに応えてカーチス社が設計した試作機がチャンス.ヴォート社などとの競争に勝ち、選ばれた。 当初はシーガルと呼ばれたがイギリスが本機に対してシーミューという名前で呼んだため、アメリカ海軍もそう呼ぶようになった。 SOCとはまったく違う全金属製中翼単葉機で車輪またはフロートがつけられるようになっていた。 1939年10月に初飛行したが飛行安定性が悪く垂直尾翼を大きくしたり主翼の両端に安定板をとりつけるなどの改良が行われた。 SO3C-1という正式型名が与えられ、141機が生産された。 1942年7月から巡洋艦クリーブランドに配備されたのが最初である。 ついで着艦フックをつけた型がSO3C-2として459機が生産され、そのうち250機は武器貸与法に基づいてイギリスに供与されることになっていた。  第一線で稼動するようになってからも飛行安定性の問題が残っており、さらに搭載していたレンジャーV-770-6エンジンのトラブル続きで本機の評判は芳しいものではなかった。 部隊によっては古いSOCに取り替えてしまったくらいである。 1944年にはほとんどのアメリカ海軍のSO3Cは前線から退き無線誘導の標的機などに改造されてしまった。 イギリスに供与された機体も結局訓練用としてだけに使用された。

 
性能諸元(SO3C-2C)

形式:複座偵察機   エンジン:レンジャー V-770-6 空冷525馬力   最大速度:277km/時(高度 2,469m) 巡航速度 201km/時   航続距離:1,851km   海面上昇率 365m/分  上昇限度:4,816m   自重:2,177kg  全備重量:3,266kg  全幅:11.58m  全長:10.87m   武装:7.7mm固定式機関銃1挺、12.7mm旋回式機関銃1挺、爆弾147kg 2個   生産台数:794

参考文献

Elke C. Weal “Combat Aircraft of World War Two”, Arms and Armour Press, London 1977
William Green “War Plane of The Second World War Vol.6” Doubleday & Company, 1960
Enzo Angelucci & Paolo Matricardi “World War 2 Airplanes”, Rand McNally, Chicago 1978
Bernard Fitzsimons ed. “The Illustrated Encyclopedia of 20th Century-Weapons and Warfare Vol.21”
Chris Bishop ed.“The Complete Encyclopedia of Weapons of World War 2”, Prospero Books, 1998
Peter M. Bowers “Curtiss Aircraft 1907-1947” Putnam 1979
Gordon Swanborough “United States navy Aircraft since 1911” Naval Institute Press 1968