イリューシン IL-10

画像をクリックして拡大

KOPRO製 1/72

「これはわが国には空気とパンと同じくらい必要とされている」と1941年、スターリンに言わしめ、ヒットラーの攻勢を押し返すソ連の力のシンボルとなったイリューシンIL-2シュトルモビク地上攻撃機の後継機である。 見かけはIL-2と同じように見えるが実際はまったく新しい設計であった。 特に2人の搭乗員は防弾版で囲まれてより快適に、より安全になっていた。 新採用の着陸装置は従来のものよりずっと軽量化されていた。  大量生産は1944年8月から始まり実戦投入は翌年の2月からである。 ドイツ降伏の前に多くの部隊がIL-10に替えられていた。 1945年8月、ソ連軍による満州侵攻時にも多数が使われている。  IL-10の生産は第二次世界大戦が終わった後も続けられ1955年に終了するまで合計4,966機が作られた。 IL-10はチェコスロヴァキアでもB-33という型式名でライセンス生産が行われ、1,200機以上が作られた。 朝鮮戦争でも大量に使われたほか他の共産圏諸国でも1960年代まで使われている。 写真の機体マークはチェコスロバキア空軍所属のものである。

 
性能諸元(IL-10)

形式: 単発地上攻撃機   エンジン: ミクリンAM-42液冷2,000馬力1基   最大速度:507km/時(海面高度)   上昇時間:5分(3,000mまで)   航続距離:1,00km   上昇限度:7,500m   重量:4,500kg   全備重量:6,536kg   全幅:13.40m   全長:11.2m   武装:23mmNS23機関砲2門、7.62mm機関銃2挺、旋回式20mm機関銃1挺 爆弾 400kg   生産台数:6,956(チェコ製2,000を含む)

参考文献

Elke C. Weal “Combat Aircraft of World War Two”, Arms and Armour Press, London 1977
Enzo Angelucci & Paolo Matricardi “World War 2 Airplanes”, Rand McNally, Chicago 1978
Bill Gunston “Fighting Aircraft of World War 2”, Prentice Hall Press 1988
Bernard Fitzsimons ed. “The Illustrated Encyclopedia of 20th Century-Weapons and Warfare”
Chris Bishop ed.“The Complete Encyclopedia of Weapons of World War 2”, Prospero Books, 1998
Lennart Andersson “Soviet Aircraft and Aviation 1917-1941” Putnam Aeronautical Books 1994