スホーイSU-2に似てはいるがSU-6はまったくの別設計であった。 初飛行は1940年12月。 最初の機体は単座型で全金属製で胴体前部は12mmの鋼鉄板で囲まれ、強力なM-71エンジン(2,000馬力)を搭載して高度2,500mで最高時速527kmを出し、イリュ―シンIL-2より高性能を示したが、エンジントラブルが解決できず量産にまで至らなかった。 武装は23mm機関砲2門、7.62mm機関銃4挺、爆弾400kgであった。
1942年始め、イリュ―シンIL-2に時期を同じくしてスホーイにも複座型を作るよう指示があった。 エンジンにさらに強力な2,200馬力のM-71Fを採用し、エンジン部から後部射手席までの全体を4~8mmの防弾板で囲い、37mm機関砲2門を備えていた。 複座型のイリュ―シンIL-2M3の最大時速が480kmに過ぎなかったのに対してSU-6は514kmに達した。 パイロットや整備員からはイリュ―シンIL-2をSU-6に切りかえるよう要望が出たが、IL-2はすでに大量生産に入っていたためにそのバックアップとしてSU-6の開発が継続された。 しかしエンジンがトラブル続きで生産できず、結局エンジンを2,000馬力のAM-42を搭載して武装も減らした型が1944年に作られ、時速520kmを記録したが、その時点では全般的な性能に優れたイリュ―シンIL-10が生産に入っており、SU-6の開発は中止された。 それでも少数機が戦争末期に使われたという記録が残っている。
形式: 地上攻撃機 エンジン:ASh-71F液冷2,200馬力 最大速度:478km/時(海面), 526km/時(高度 2,500m) 航続距離:973km 上昇時間:8分30秒(3,000mまで) 上昇限度:8,000m 自重:4,137kg 全備重量:5,547kg 全幅:13.5m 全長:9.24m 武装:37mm対戦車機関砲2門、7.62mmShKAS機関銃2挺、12.7mm 旋回式機関銃1挺、爆弾400kg 生産台数:
Elke C. Weal “Combat Aircraft of World War Two”, Arms and Armour Press, London 1977
Bernard Fitzsimons ed. “The Illustrated Encyclopedia of 20th Century-Weapons and Warfare Vol.24”
Chris Bishop ed.“The Complete Encyclopedia of Weapons of World War 2”, Prospero Books, 1998
Bill Gunston “Aircraft of the Soviet Union”