ポリカルポフ I-153

画像をクリックして拡大

モデルは SMER製 1/72

I-153は引き込み脚を持っているという点でユニークな複葉戦闘機である。 またおそらく世界でもっとも速い複葉戦闘機であるということもできる。 スペイン戦争で有名を馳せたI-15から発展したもので初飛行は1938年、エンジンは750馬力のM-25V,2翔の金属製プロペラを駆動した。 その翌年始まった量産型ではエンジンは強力な1,000馬力のM-63であった。 I-15と同じく木金混合の構造で翼は木製、胴体は溶接鋼管の骨組みに羽布張りで、主脚は90度ねじって胴体に引き込まれた。 武装は4挺の7.62mm ShKAS機関銃に150kgの爆弾または6発のロケット弾を携行できた。 I-153は運動性がきわめて良く、1939年からのフィンランドとの戦争では重要な働きをしたほか、日本とのノモンハン事変における活躍で軍当局は気をよくし、さらなる開発を指示した。 その結果さらに強力なエンジンM-63(1,100馬力)を搭載した型や過給器をつけた高高度戦闘機型などが登場した。 1941年、侵攻してくるドイツ軍に立ち向かったが旧式化は覆いがたくたちまちのうちに殲滅されてしまった。  

 
性能諸元(I-153)

形式: 単座戦闘機   エンジン:シュベツォフ M-62R空冷 1,000馬力   武装:7.62mm ShKAS機関銃4挺、爆弾100kgまたはロケット弾6発   最大速度:366km/時(海面) 443km/時(高度5,000m)  上昇時間:3分0秒(3,000mまで)   上昇限度:10,700m   航続距離:880km   自重:1,452kg  全備重量:2,110kg   全幅:10.0m  全長:6.3m   生産台数:3,437

参考文献

Elke C. Weal “Combat Aircraft of World War Two”, Arms and Armour Press, London 1977
William Green “War Plane of The Second World War Vol.3” Doubleday & Company, 1960
Bernard Fitzsimons ed. “The Illustrated Encyclopedia of 20th Century-Weapons and Warfare Vol.13”
Chris Bishop ed.“The Complete Encyclopedia of Weapons of World War 2”, Prospero Books, 1998
Lennart Andersson “Soviet Aircraft and Aviation 1917-1941” Putnam Aeronautical Books 1994