スホーイ Su-9

画像をクリックして拡大

モデルは VP CANADA製
レジンキット

1944年、スホーイ設計局は開発中のリュルカ TR-1 ターボジェットエンジンを搭載した双発のジェット戦闘機の開発にのりだした。 完成した機体はドイツのメッサ―シュミット Me262によく似てはいるがまったくの独自設計であった。 スマートな胴体にバブル型風防を備え、コクピットは前後を防弾版に守られ風防は防弾ガラスであった。 さらにドイツのハインケル He 162に使われたものをコピーした射出式操縦席を備えていた。 またSU-9はソ連で初めて油圧式コントロールを採用した飛行機である。 Su-9は小型化して高速を得るために翼面加重の高い設計になっており必然的に離着陸距離が大きくなった。 そのために離陸時には胴体の両側に2基のロケットエンジン、着陸時はパラシュートのブレーキを備えていた。 武装は機種の37mm機関砲1門(携行弾数40発)と23mm機関砲が2門(携行弾数各100発)であったが、37mm機関砲を取り外せば250kg爆弾を2発携行できた。
初飛行の予定は1945年後半であったが搭載予定のTR-1 エンジンが間に合わなかったのでユンカース ユモ 004 をコピーしたエンジンを使って翌年11月13日の初飛行となった。 テストパイロットの意見では本機は操縦はよいが操縦かんの操作には強い力を要し、縦方向の安定性にやや欠けるということであった。 このため垂直尾翼の面積を増し、操縦系統に油圧式を導入することで問題は解決された。 最高速度は高度8,000mで885km/時で片方のエンジンが故障しても操縦は容易であった。 しかしミグ Mig-9やヤク Yak-15より操縦性がよく航続距離が長かったが速度がかなり遅く開発は中止されてしまった。

 
性能諸元(Su-9)

形式:単座戦闘機   エンジン:RD-10 ユンカース.ユモ 004 2基   最大速度:885km/時(高度:8,000m)   航続距離:1,120km  上昇限度:12,740m 自重 4,064kg 全備重量:6,385kg 全幅:11.2m 全長:10.55m 武装:37mmN-37機関砲1門、23mmNS-23機関砲2門、爆弾 500kg 生産台数: 1

参考文献

Yefim Gordon"Early Soviet Jet Fighters", Hinckley,Leicestershire, UK
Gunston,Bill "Aircraft of the Soviet Union"
Yelfim Gordon "Soviet X-Planes" Motorbooks International, 1992