ロゴザルスキー SIM-XIV

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モデルは ALLIANCE MODELS製 1/72
レジンキット

1930年にはユーゴスラビア海軍は空軍より近代的な航空機で装備されていた。 しかし5年後にはそれらは旧式化し装備の見なおしをせまられた。 1937年、沿岸哨戒ならびに船団護衛、機雷敷設などの用途の双発機の仕様が出された。 いくつかのメーカーから提案があったが、木造で値段が安い割に高性能のSIM-XIVが選ばれた。 空冷のアーガス As10C 240馬力2基を装備して1938年2月に初飛行した本機はユーゴスラビアが設計した始めての双発機となった。 SIM-XIVはすばらしい操縦性能を示し海軍のテストパイロットを狂喜させた。 直ちに量産命令が下され0型として6機が生産された。 さらにいくつかの改良を施した1型が6機作られた。 1型は水上においても空中においても抜群の操縦安定性を示し、ある程度のアクロバット飛行もでき、片方のエンジンが止まってもなお安定な飛行ができるということで搭乗員からは大変な好評を博した。 より強力な450馬力のアーガス AS410エンジンを搭載した型が1940年に発注されたが、完成する前にドイツ軍による侵攻が始まってしまった。 1941年4月、ドイツに占領される前に2機が脱出に成功し、北アフリカの連合軍基地に到達した。 この機体は後に地中海方面で哨戒に使われた。 ユーゴスラビアにあったSIM-XIVの残存機はイタリア軍に接収され主に水上機の飛行訓練学校で使われた。

 
性能諸元(SIM-XIVH)

形式: 沿岸哨戒水上機  エンジン:アーガス As 10E 空冷270馬力2基 最大速度: 243km/時(海面) 巡航速度 190km/時  航続距離: 840km 上昇時間: 4分20秒(1,000mまで)  上昇限度: 4,340m 自重: 2,230kg 全備重量: 3,350kg 全幅: 15.2m 全長: 11.19m 武装:7.5mm 旋回式機関銃2挺、 生産台数: 13

参考文献

Elke C. Weal “Combat Aircraft of World War Two”, Arms and Armour Press, London 1977 William Green “War Plane of The Second World War Vol.6” Doubleday & Company, 1960 Chris Bishop ed.“The Complete Encyclopedia of Weapons of World War 2”, Prospero Books, 1998